一戸建て住宅実物大 振動実験
実物大一戸建て住宅の振動実験で建物に対する耐震性・安全性について検証しました。
試験体『収’s』付住宅:枠組壁工法
実験日:2008年6月11日
場所:独立行政法人「土木研究所・三次元大型振動台」(所在地:茨城県つくば市南原1-6)
実験目的
建築基準法は建築物の最低基準であり、まれにおきる中小地震に対して補修可能な軽微な損傷のみで、継続して居住可能で、建物の価値が守られることが目的です。また、きわめてまれに起こる大地震に対し、人命を保護し、建物の倒壊を防止するものです。
木下工務店では、お客様に安心して生活していただける耐震性能の高い住まいをご提供するため、直下型地震を想定し、阪神・淡路大震災の直下型地震を再現できる独立行政法人「土木研究所・三次元大型振動台」で一戸建て住宅実物大振動耐震実験を行いました。
実験内容
阪神・淡路大震災で観測された直下型地震を想定し耐震実験を行いました。2回にわたる振動実験を行いましたが、大きな損傷等が見られなかったため、3回目に阪神・淡路大震災で測定された180%の力で振動実験を行いました。
振動実験のため家具の固定はしてありません。
実験結果
阪神・淡路大震災で観測された180%の力で振動実験を行いましたが、倒壊しませんでした。今回の実験では、非常に優れた耐震性が証明される結果となり、「木下工務店」の家は、安心して住める耐震性能のある家であるという事が確認できました。
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振動実験 1回目
阪神・淡路大震災の100%の力で、X方向・Y方向・Z方向(上下:直下型)に揺らして耐震実験を行いました。
実験結果
建物の構造体の損傷・破損は見られませんでした。
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振動実験 2回目
阪神・淡路大震災の150%の力で、X方向・Y方向・Z方向(上下:直下型)に揺らして耐震実験を行いました。
実験結果
JMA神戸の150%の加振であっても安全な耐震性能を持った建物である事が証明されました。
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振動実験 3回目
阪神・淡路大震災の180%の力で、X方向・Y方向・Z方向(上下:直下型)に揺らして耐震実験を行いました。
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河合 直人先生による一戸建て振動実験検証
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独立行政法人建築研究所 構造研究グループ
上席研究員 河合 直人
専門/木造構造物の構造性能、木造建築物の耐震性能、伝統的木造建築物の耐震性能
役職/上席研究員
研究活動/木造建築物の構造性能評価法、特に耐震性能評価法、耐震設計法に関する研究を実施してきました。これらの成果を法令や実務に反映させるため、基準原案作成や構造計算法等のマニュアルの作成にも力を注いでいます。近年では環境に優しい材料である木材の中層建築物等への有効活用を現実のものとするため、木質複合建築構造の技術開発プロジェクトに参加しています。一方、伝統的木造建築物の耐震性能についての研究として国宝、重要文化財の振動測定や解析等を実施し、耐震診断法の原案作成なども行っています。
実験建物平面図